奈良で世界遺産と初夏の花めぐり 3日間
奈良は京都と並び日本が世界に誇る古都。奈良時代は古代日本の都として栄え、その後は興福寺をはじめ東大寺・元興寺などが勢力を広げ寺社の町として発展してきました。現在は多くの寺社が「古都奈良の文化財」および「法隆寺地域の仏教建造物」として世界遺産に登録されています。世界遺産と初夏の花々をともに堪能できる奈良の旅をお楽しみください。
目次
2日目
1日目
伊丹空港または関西空港から空港リムジンでJR奈良駅へ。
所要時間:伊丹空港⇒JR奈良駅 約80分
関西空港⇒JR奈良駅 約100分
奈良駅で荷物を預けて、奈良めぐりスタート!
初日は世界文化遺産「法隆寺」を有する斑鳩エリアへ。
JRで奈良駅から法隆寺駅へ(関西本線大和路線:乗車時間約11分)、法隆寺までは駅前からバスで約8分(法隆寺参道バス停下車)ですが、徒歩でも20分ほどで着きます。
607年頃、聖徳太子が用明天皇のため斑鳩の地に建立した法隆寺。670年に火事により焼失するも再建が進められ、奈良時代初頭までには飛鳥時代様式での中心伽藍が復興されました。現在の西院伽藍は世界最古の木造建築群として知られています。1993年「法隆寺地域の仏教建造物」として世界文化遺産に登録されました。
法隆寺 五重塔
法隆寺の玄関にあたる「南大門(国宝)」から入り西院伽藍を見てまわりましょう。
西院伽藍の本来の入口となる「中門(国宝)」から「回廊(国宝)」が「五重塔」と「金堂」を囲むようにつながっています。
日本最古の塔である「五重塔」は下層から上層に向かって細くなっており、その絶妙なバランスと躍動感が非常に美しく、天空に向かって伸びていくかのような印象を受けます。1951年に国宝に指定されました。
住所 :奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1の1
拝観時間:
【2/22~11/3】午前8時~午後5時
【11/4~2/21】午前8時~午後4時半
※閉館時間が近づくと入れない施設がございます。
拝観料 :一般1,500円 / 小学生750円
※西院伽藍内、大宝蔵院、東院伽藍内共通
法隆寺 金堂
五重塔と並びたつ「金堂(国宝)」は西院伽藍最古の建築物ですが「世界最古の木造建築」とも言われています。軒の出の深い重厚感溢れる美しい建築物です。
金堂内部に納められている「釈迦三尊像(釈迦如来・薬王菩薩・薬上菩薩)」は飛鳥時代を代表する仏師「鞍作止利」の作で、面長な顔にはアルカイックスマイルと言われる微笑みをたたえています。同じく金堂に安置された「薬師如来像」「吉祥天」「四天王像」とともに国宝に指定されています。
法隆寺 大宝蔵院
大宝蔵院は東西2つの宝蔵と百済観音堂で構成されており、法隆寺に伝来する数々の宝物がおさめられています。
百済観音堂に安置されている国宝「観音菩薩立像」は「百済観音」の名で親しまれ、約210センチのすらりとしたお姿と柔和なお顔は多くの人々を魅了してきました。
また東西の宝蔵で特に有名な国宝「玉虫厨子」は飛鳥時代を代表する工芸品として名高く、仏像を安置するための厨子を光り輝く美しい玉虫の羽で装飾されていたことからこの名前があります。
法隆寺 夢殿
法隆寺の東側「東院伽藍」は元々聖徳太子の「斑鳩宮」の跡で、宮は643年に蘇我入鹿の焼き討ちで焼失したとされています。739年頃に法隆寺の高僧行信が上宮王院を建立、太子を供養するため堂が建てられ、聖徳太子信仰の高まりとともに信仰の中心となっていきました。平安時代に法隆寺が上宮王院を統合、堂は聖徳太子の夢の中に現れた黄金の仏の伝説に由来して「夢殿」と呼ばれるようになりました。鎌倉時代の大改造を経て現在見られる高い基壇の上に建つ八角円堂の姿が固まったと言われています。本尊の「救世観音像」とともに国宝に指定されています。
約2分
夢殿~(徒歩すぐ)~中宮寺
中宮寺
中宮寺は、聖徳太子が母の穴穂部間人皇后の菩提をとむらうために建立されたと伝えられている日本最古の尼寺です。創建当時は現在よりも約500mほど東方に位置し、四天王寺式伽藍配置であったとされています。また法隆寺と中宮寺は僧寺・尼寺の関係にあったと考えられます。金堂に安置されている本尊・国宝「菩薩半跏像(伝如意輪観音)」は、片足を組み右手の指先をわずかに頬に触れ思惟されるお姿が特徴の半跏思惟像で、特に優しくも神秘的な微笑みをたたえたお顔はアルカイックスマイルの典型と高く評されています。4月~5月には周囲の山吹が見ごろを迎え、青い空に黄色がよく映えます。
住所 :奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2
拝観時間:
【3/21〜9/30】午前9時~午後4時半 ※受付~午後4時15分
【10/1〜3/20】午前9時~午後4時 ※受付~午後3時45分
拝観料 :一般600円 / 小学生300円
約15分
中宮寺~(徒歩約6分)~中宮寺東口バス停~(バス約6分)~慈光院バス停~(徒歩約7分)~慈光院
慈光院
1633年に茶人として名高い小泉藩主の片桐貞昌が、初代藩主である父貞隆の菩提を弔うため、大徳寺185世玉舟和尚(大徹明應禅師)を開山に迎え建立した臨済宗大徳寺派の寺院。境内全体が一つの茶席として造られており、表の門や建物までの道・座敷や庭園、そして露地を通って小間の席という茶の湯で人を招く場合に必要な場所すべてが、そのまま三百年を越えていま見ることができるという、大変貴重な場所となっています。大和三名園と賞される美しい枯山水庭園の白砂とサツキの大刈込み、大和平野を一望できる借景は有名で、5月中旬にはサツキが見頃を迎えます。
住所 :奈良県大和郡山市小泉町865番地
拝観時間:午前9時~午後5時
拝観料 :一般(小学生以上)1,000円 ※抹茶接待を含みます
約45分
慈光院~(徒歩)~片桐西小学校バス停~(約7分)~JR大和小泉駅~(JR約7分)~JR奈良駅~(徒歩約12分)~変なホテル 奈良
変なホテル 奈良
近鉄奈良駅6番出口より徒歩2分、JR奈良駅東口より徒歩12分。奈良公園や興福寺などの有名な観光名所にも徒歩圏内と観光の拠点として大変便利です。
光のホログラムによる非接触チェックインを導入、古都奈良の伝統的な「和」文化と最新テクノロジーが融合し、快適なご滞在をサポートします。
住所:奈良県奈良市高天町46番1
TEL :050-5210-9999
チェックイン :15時
チェックアウト:11時
2日目
奈良交通バス「奈良公園・西の京・法隆寺 世界遺産 1-Day Pass Wide」を利用して世界遺産をめぐりましょう。
ホテルから徒歩で近鉄奈良駅バス停へ(約2分)
近鉄奈良駅バス停から乗車、春日大社本殿バス停で下車(乗車時間約8分)
下車してすぐに春日大社に着きます。
春日大社は、古のころから神の降臨する神聖な山とされた春日山・御蓋山の麓に、平城京の守護と国民の幸福を祈願するために768年に創建されたと伝えられる、全国の春日神社の総本社です。境内には朱塗りが鮮やかな社殿がたち並び、パワースポットと言われるにふさわしい神聖な空気に包まれています。1992年に「古都奈良の文化財」の1つとして世界文化遺産に登録されました。
春日大社 御本社(大宮)・御本殿
現在の正門である南門から御本社(大宮)回廊内へ入ります。釣灯篭が並ぶ東回廊から一度外に出たところにある「御蓋山浮雲峰遥拝所」は、春日大社第一殿の御祭神である鹿島の武甕槌命様が白鹿の背に乗って天降られた神蹟・御蓋山頂上浮雲峰の遥拝所で、神様のお力が伝わるとても神聖な場所です。御本殿には武甕槌命様・経津主命様・天児屋根命様・比売神様が祀られており、国宝に指定されています。そのほかにも回廊内には風宮神社・後殿各社・椿本神社など多くの神社や樹齢1000年とも言われる大杉・柏槙、5月初旬に見頃となる「砂ずりの藤」など見どころが多くあります。
住所 :奈良県奈良市春日野町160
御本社(大宮)参拝所
参拝時間:
【3月~10月】6:30~17:30
【11月〜2月】7:00~17:00
御本殿特別参拝
参拝時間:9:00~16:00
・3月8日頃~3月13日、12月20日~1月7日、
成人の日は終日拝観できません。
・毎月1日、11日、21日及び
節分の日、2月17日、2月23日、3月14日、3月15日、
春分の日、4月3日、5月第3金曜日、5月5日、
5月10日、8月7日、8月15日、秋分の日、
10月9日、11月3日、11月23日、
12月17日の午前中は拝観できません。
・12月16日の午後は拝観できません。
※祭典都合により時間が前後する場合がございます
※上記以外に臨時の祭典等により拝観頂けない場合がございます
拝観料:500円(令和6年10月1日より700円)
春日大社 国宝殿
春日大社の境内にある、春日大社が所有する国宝354点及び重要文化財2505点を主とした多数の文化財を所蔵・展示する美術館です。所蔵文化財の多くが平安時代製作の宝物であることから「平安の正倉院」とも呼ばれています。1階は暗闇の中に光と水で聖地を表現した「神垣」および日本最大級の鼉太鼓(高さ6.5メートル)を展示。2階の大展示室は特別展のテーマにあわせて春日大社所蔵の宝物を展示しています。また小展示室では国宝本宮御料古神宝類をはじめとする美術工芸品などを見ることができます。
国宝殿
参拝時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
拝観料:一般500円 / 大学生・高校生300円 / 中学生・小学生200円
※企画展・特別展によっては拝観料が異なる場合もあります。
萬葉植物園
1932年萬葉集にゆかりの深い春日野の地に、萬葉集に詠まれた約300種の植物を植栽する日本で最も古い萬葉植物園として開園しました。約3ヘクタール(9,000坪)の園内は萬葉園・五穀の里・椿園・藤の園で構成されており、植物ごとに代表的な万葉歌の陶板と植物解説が添えられています。園の中央には萬葉時代の思わせる造りの池があります。園のメインフラワーとも言うべき藤の見頃は例年4月中旬から5月初旬ごろ。約20品種が栽培されており、一般的な棚造りではなく『立ち木造』という形式で上を見上げずにそのままの目線で花を観賞することができます。
萬葉植物園
開園時間:9:00~16:30(入園は16:00まで)
※6月~3月/火曜休園(祝日等の場合は開園します)
※4月~5月/無休
入園料:大人500円 / 小人(中学生以下)200円
約10分
徒歩
東大寺 南大門
「奈良の大仏さま」で知られる東大寺は奈良時代に創建された寺院で華厳宗大本山です。仏の加護により国家を鎮護しようとした聖武天皇の発願で建立されました。751年に金堂(大仏殿)が完成、翌752年には盛大な大仏開眼供養が行われました。以降次々と堂塔が建てられ約40年かけて伽藍全体が整いました。南大門は東大寺の総門で、創建時の門は平安時代に大風により倒壊し、現在の門は鎌倉時代に再建されたもの。門の高さは基壇上25.46mあり、大仏殿にふさわしい壮大な重層門です。門内に安置されている金剛力士像とともに国宝に指定されています。
住所 :奈良県奈良市雑司町406-1
東大寺 大仏殿
本尊である盧舎那仏(国宝)が安置されている東大寺の金堂で、世界でも最大級の木造建築です。752年に完成して以降、戦火で2度焼失し、その都度再建されてきました。現在の建物は江戸時代に公慶上人によって再建されたもの。盧舎那仏は華厳宗の教主として堂内正面に鎮座しています。像高約15mの堂々としたお姿は、奈良時代から変わらず人々の心の支えとなってきました。両脇に脇侍の虚空蔵菩薩と如意輪観音、背後に四天王の広目天と多聞天が控えています。
大仏殿
拝観時間:
【4月~10月】07:30~17:30
【11月~3月】08:00~17:00
拝観料:一般(中学生以上)800円 / 小学生400円
東大寺 二月堂
東大寺境内のなかでも一番東、若草山の麓にあるお堂で「修二会」で有名です。奈良に春を呼ぶ「お水取り」の名で知られる修二会は、このお堂で旧暦の2月に行われたことから「二月堂」という呼び名がおこったと伝えられています。京都の清水寺と同様「舞台造」になっており、修二会では大きな松明を振って火の粉を散らす「お松明」が毎晩行われ、この火の粉を浴びると健康に過ごせるご利益があるとされており、暗闇のなか炎が舞うダイナミックかつ幻想的な光景が浮かび上がります。
二月堂
拝観時間:自由
拝観料:無料
東大寺 戒壇堂
「戒壇」というのは「授戒(僧侶として正式に認められること)の場」のことを言います。東大寺では日本で初めての本格的な授戒式が大仏殿の前で行われ、聖武上皇や后の光明皇太后、娘の孝謙天皇ら440人余りが鑑真和上から戒を授かりました。755年には常設の授戒場として金堂・講堂などを持つ伽藍の「戒壇院」が造営されましたが、1180年に戦乱で焼失。復興後もさらに2度の火災で失われました。現在の戒壇堂は1732年に再建されたものです。そうした幾度もの戦火や火災にもかかわらず、戒壇堂内には奈良時代から伝わる「四天王像」が残されています。
戒壇院戒壇堂
拝観時間:08:30~16:00
拝観料:一般(中学生以上)800円 / 小学生400円
約30分
東大寺~東大寺大仏殿・国立博物館バス停~(約25分)~唐招提寺東口バス停~唐招提寺
唐招提寺 金堂
唐招提寺は、南都六宗の一つである律宗の総本山です。唐の高僧・鑑真和上が5度にも渡る失敗の後、視力を失いながらも6度目にして来日に成功、759年に戒律を学ぶ人々の修行の道場として開いたのが始まりとされています。金堂は奈良時代に創建された当時のものが現存しており、天平文化を伝える代表的な建築物として広く知られています(国宝)。堂内には本尊・盧舎那仏坐像、薬師如来立像、千手観音立像(いずれも国宝)が安置されています。
住所:奈良県奈良市五条町13-46
拝観時間:8:30~17:00(受付は16:30まで
拝観料:大人・大学生1,000円 / 高校生・中学生400円 / 小学生200円
唐招提寺 鼓楼
金堂・講堂の中間の東側に建つ2階建ての建築物です。名称は「鼓楼」ですが、現在は鑑真和上将来の仏舎利を奉安しているため「舎利殿(しゃりでん)」とも呼ばれています。また堂内の厨子には仏舎利を収めた国宝の金亀舎利塔(きんきしゃりとう)が安置されています。
唐招提寺 開山堂
開山堂は元禄時代に徳川家歴代の御霊殿として建立され、その後1881年に「鑑真和上坐像(国宝)」を安置するために現在の位置へ移築されました。教科書などでも有名な「鑑真和上坐像」は現在は「御影堂」に安置されており、毎年6月5日~7日の3日間しか拝観することができませんが、2013年に鑑真和上像の「御身代わり像」がつくられ、開山堂でいつでもその像を拝観することができるようになりました。
唐招提寺 初夏の蓮
唐招提寺では、初夏から夏にかけて蓮の花が見頃を迎えます。鑑真和上が来日された際に蓮根を持ち込まれたことから、開創以来蓮を大切にしてきました。2ヶ所の蓮池では6月下旬から8月まで、美しい蓮の花が咲き誇ります。早朝に咲いて午後には閉じる、その神秘さ儚さが魅力の蓮の花。奈良市内では西部の「西の京」エリアにある4つのお寺「西大寺」「喜光寺」「唐招提寺」「薬師寺」が蓮の花で有名です。
約10分
徒歩
薬師寺 金堂
薬師寺は法相宗の大本山。680年に天武天皇が皇后(後の持統天皇)の病気平癒を祈願して薬師寺建立の発願をされたのが始まりとされ、天武天皇は薬師寺の完成を見ずに崩御、その後は持統天皇や・文武天皇に引き継がれ完成しました。718年に平城京遷都に伴って飛鳥から現在の西の京に移されました。金堂は左右に位置する東塔・西塔を従える日本初の「双塔式伽藍」となっています。金堂には本尊薬師三尊像(国宝)が安置され、心身の健康を願う人々の信仰を集めています。
住所:奈良県奈良市西ノ京町457
拝観時間:午前9時~午後5時(拝観受付は午後4時30分まで)
拝観料:大人1,000円 / 中高生600円 / 小学生200円
拝観可能場所:金堂・大講堂・東院堂
薬師寺 東塔
薬師寺の伽藍はほとんどが戦乱などにより焼失してしまいましたが、昭和から平成にかけて復興事業が始まり、金堂や大講堂など次々と再建されました。そのなかで東塔は唯一創建当時から残る建築物です。一見六重塔に見えますが実際には三重塔で、各層に裳階と呼ばれる小さい屋根が付いており、大小の屋根の重なりが律動的な美しさを醸し出しています。この特徴的な形は、東洋美術史家アーネスト・フェノロサにより「凍れる音楽」と評されました。
薬師寺 大講堂
薬師寺の伽藍の中で最大のお堂が大講堂です。長さ41メートル、深さ20メートル、高さ17メートルの大講堂は、薬師寺の本堂(金堂)や奈良で最も大きな寺院の建物の1つで、その壮大さに圧倒されます。堂内に安置されている弥勒三尊像は法相宗の教えを説いた仏であり、この広大な建物の機能は礼拝のためではなく、仏教全般、特に法相宗の知識を育むためのものでした。2003年、伝統工法のなかに現代工法を取り入れながら再建されました。
薬師寺 東院堂
薬師寺の回廊の外にひっそりと佇む「東院堂」は、奈良時代に建立されたお堂が焼失し鎌倉時代に再建された和様建築の建物です。日本最古の禅堂として国宝に指定されています。堂内には国宝・聖観世音菩薩像と重要文化財・四天王立像が安置されています。
約25分
薬師寺~薬師寺東口バス停~(約22分)~近鉄奈良駅バス停~(徒歩約2分)~ホテル
3日目
古都奈良をめぐる旅も最終日。
荷物はホテルか奈良駅のコインロッカーに預け、世界遺産「興福寺」へ向かいます。(徒歩約7分)
興福寺は南都七大寺の一つで法相宗大本山。藤原鎌足の夫人である鏡王女が、鎌足造立の釈迦三尊像を本尊とする山階寺(やましなでら)を造営したのが始まりとされています。山階寺はその後飛鳥に移され厩坂寺となり、710年平城遷都に伴って平城京に移され「興福寺」となりました。その後は時の天皇家や藤原氏により整備が進められるとともに勢力を増していきました。しかし火災や戦乱、明治期の神仏分離令や社寺領上知令に伴う廃仏毀釈などにより弱体化。その後興福寺再興の機運が高まり、お堂の修理や境内の整備が行われ現在に至っています。
興福寺 中金堂
中金堂は興福寺伽藍の中心になる最も重要な建物で、藤原氏興隆の基礎を築いた藤原不比等により創建されたと伝えられています。しかし創建後6回もの焼失にあい、その都度再建されるものの1717年の焼失後は財政的な問題で再建が進まず、1819年になり規模の小さい仮堂が建立されました。平成になり創建当時の様式で復元することとなり、仮堂は解体され、2018年に中金堂が復元されました。堂内には本尊・木造釈迦如来坐像や木造薬王・薬上菩薩立像が安置されています。
住所:奈良県奈良市登大路町48番地
中金堂
拝観時間:9:00~17:00(受付終了16:45)年中無休
拝観料:大人・大学生500円 / 中高生300円 / 小学生100円
興福寺 国宝館
僧侶が集団で食事をする食堂が建てられていた場所に、1959年に鉄筋コンクリート造りの耐火式宝物収蔵庫として建てられました。興福寺の歴史を伝える仏像彫刻や絵画、工芸品、典籍・古文書、歴史資料・考古遺物などが収蔵されています。館内には館内には旧食堂の本尊千手観音菩薩立像を中心に、奈良時代の阿修羅像などの乾漆八部衆像などが納められており、なかでも阿修羅像は天平彫刻の傑作として広く知られています。
国宝館
拝観時間:9:00~17:00(受付終了16:45)年中無休
拝観料:大人・大学生700円 / 中高生600円 / 小学生300円
興福寺 三重塔
1143年に崇徳天皇の中宮の皇嘉門院聖子が創建、1180年に焼失するも間もなく再建されたと言われています。北円堂と共に興福寺で最古の建物。木割が細く軽やかで優美な線を醸し出し、平安時代の建築様式を伝えます。国宝に指定されています。
約10分
興福寺~(徒歩約2分)~県庁前バス停~(約5分)~般若寺バス停~(徒歩約3分)~般若寺
般若寺
飛鳥時代、高句麗の慧灌法師がこの地に寺を建てたのが始まりとされています。平安時代には千人の学僧を集めるほどの規模でしたが、1180年の平家の南部焼討により伽藍が焼失。鎌倉時代に西大寺の叡尊上人により文殊菩薩を御本尊として復興され、病や貧困に苦しむ人々などを救う活動の拠点となりました。鎌倉時代の優美な建築様式をもつ楼門は国宝に指定されています。春の山吹、初夏の紫陽花、秋のコスモス、冬の水仙と季節の花々に境内が彩られます。梅雨から初夏にかけて見頃を迎える紫陽花は色も種類も豊富。花を丸いガラスに詰めた「アジサイガラスボール」が本堂などに置かれ、人々の目を楽しませてくれます。
住所:奈良県奈良市般若寺町221
拝観時間:通常期間 9時~17時(受付終了16時30分)
短縮拝観期間(1月・2月・3月・4月・7月・8月・12月) 9時~16時(受付終了15時30分)
拝観料:通常拝観料金 大人500円 / 中高生200円 / 小学生100円
花期特別拝観料金 アジサイ期 5月中頃~7月中頃 / コスモス期 9月中頃~11月中頃
大人700円 / 中高生300円 / 小学生200円
※花の状況により変更になる場合があります
約10分
般若寺~(徒歩約3分)~般若寺バス停~(約5分)県庁前バス停~徒歩
奈良公園/登尾大路園地
奈良公園は奈良市街の東一帯に広がる総面積約660ヘクタールという広大な公園です。奈良と言えば鹿というほど有名な鹿は、約1,300等ほどいると言われています。鹿は野生動物で、国の天然記念物でもあります。